丸腰デパート・イケメン保安課
犯人の気配があったとしても、それを掻き消すくらい怪しいよ!

これでホントに捕まえられるの?

でも、誰かが居るってわかるから、何か心強い。
昨日みたいに怖いのはもう嫌だしね。

『頑張りましょうね、みんな。犯人捕まえたら、桜田さんがすき焼き作ってくれるそうですから』
「ちょっと!家紋さん?」
思わずイヤホンマイクに向かって叫んだ!
そんな約束してないよ!

『すき焼きかぁ、いいよねぇ』
『余った汁で煮込みうどんがまたいいよな?』
『肉は人牛でいいか?』
何の肉だよっ!!怖いよ!

『俄然燃えてきたぁ――!!綾美の手料理――!!』

主任が魂の雄叫びを上げたぁ!
つーか!イヤホンマイクで叫ぶなよ!耳鳴りするっ!

まったく!遊び気分かよ!

ため息をつきながら歩く私。

………?

立ち止まった。

今、昨日みたいな足音が聞こえた様な…。

再び歩き出す。

――カッカッカッ…。
――タッタッタッ…。

やっぱり聞こえる!!
私のヒールの足音にかぶる、もう一つの足音っ!!

来た!来たんだっ!
ストーカー(仮)がっ!!

「…足音!聞こえました!」
イヤホンを通じ、小声でみんなに報告する私!
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