丸腰デパート・イケメン保安課
実はあまり無い。
条件が良いと家賃高いし、安いと遠くなるし…。

もう、昴さんの様にここに住む?

「なら綾美、俺のマンションに来るか?」
「へ?」

…今、何と?

主任は今日も筋トレをしつつ、笑顔で再び言った。

「俺のマンションに来るか?」
「はあっ?!」

行ける訳ないだろ!何考えて言ってんだよ!

「一緒に住むなんてできる訳ないじゃん!」

そうか?と主任は、鉄アレイを持ち上げている手を止めた。

「部屋は空いているぞ?」
「部屋の問題じゃなくて!家紋さんだって一緒に住んでるんでしょ?!何を主任は勝手にそんな…」
「僕はかまいませんよ?」

かまいませんって…!私はかまうよ?!
主任は私に、常々結婚を持ち掛けてくる人だよ?
わかってる?!

…と言いつつ、あまり意識はしてないんだけど。

保安課のみんなってすごいイケメンで、学歴も家柄も申し分ない。
一緒に歩いてると、周りの女性が振り返って見る。

男性として見ればかなりのレベルだけど…男性って対象として見てないんだよね、私。

何て言うか…悪友?

歳も離れてるのに、友達感覚なんだよねぇ…自分でも不思議だけどさ。

しかも人間離れしてるし。
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