丸腰デパート・イケメン保安課
「そう、何事も経験ですよ」
家紋さんまで私の背中を!
何事ってどんな事?!


「やっぱ!止めるぅ!!」
開いたドアの縁に両手をかけ、必死の抵抗を試みた。

しかし!

「往生際が悪いぞ!綾美!」
主任が手を無理矢理外しにかかったぁっ!

「やめてよっ!」
止めるって言ってんじゃん!
「覚悟を決めろ!」
何の覚悟をだよっ!

「うわっ」
「きゃあっ」

主任が私の手を引っ張ったおかげで、私と栗田さんと家紋さんが、ドアの中になだれ込む形に!

「痛いなぁっ!」
もう!主任は無茶苦茶なんだから!

倒れた身体を起こし、服に着いた汚れを払う。
顔を上げると…何か…普通の廊下?

何だ、普通だ…。


拍子抜けじゃないよ?
安心してるんだよ。
また何かあるんじゃないかと思っ……。

「………」

廊下の先を見つめ…絶句したんだけど。


「4部屋って言ったよね?」
「ああ」
「じゃあ!何で廊下がこんなに長いのっ?!」

私は廊下の先を指差し叫んだ。
だって先が見えてないんだよ!廊下の!

果てしなく続いてる様にしか見えない!

「この先には…未来がある」

何が未来だ!
この長さ!見ただけでも建築物の限界越えてんだろ!
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