丸腰デパート・イケメン保安課
「私出るからね!」
ビックリハウスかよ!ここは!

私はきびすを返し、ドアを…。


「――っ?!」


ドアが消えてるぅ―――!!


言葉を失った…ドアは?私がたった今、入って来たドアは?


両手でまさぐり、ドアを捜す。

そこには、白い空間しかないっ!


何だこれぇぇ―――っ!!


「…転送されましたね」
転送?!
「帰らずの白い森に…」
っ帰らずの?!

いやだあぁ―――っ!!

「帰して下さい!私をリアルワールドに帰して!」
「今更、現実世界を求めてどうする?」

あ、それもそうか―…。

「―っ違うだろ!!」

一瞬納得しかけちゃっただろうがぁ!


「どうなるんですかっ!私達!」
「どうもこうも、そうなるだけだ!大丈夫だ!」

余計不安になる!!

「昴さんの結界に入っちゃったんだなぁ」
結界って?
「仕方ない…頑張りますか」

何を?


やっぱり普通じゃなかったあぁ―――!!


どこまで予想すれば事態を避ける事ができるのか!
次々と予想以上の事をしやがって!


私は、先の見えない廊下を見つめ、更に消えたドアのあった場所を見つめ…。


泣きたくなってきたし。
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