丸腰デパート・イケメン保安課
家紋さんが主任の前に出る。

「開かないんだ!」
「押したり引いたりでは開かないだろう」
家紋さんは、ドアの下に手を掛け、持ち上げた。

「こうして開ける…」
「シャッターかよ!」
ドアノブの意味ないじゃん!
マジックドアか!


開いたシャッターをくぐり部屋に入る。

中は…机と椅子がたくさん並んでいて、黒板があって…学校の教室?

『みなさん好きな席に座って下さいねぇ?今先生を呼んで来ますから』

本田はそう言い、教室を出て行った。

好きな席とか言われても…。

「俺は1番前!」
主任が我先に教壇前の席に座った。
「僕は真ん中で」
「俺は後ろ〜」

…何で順応できる?

仕方ない…。

とりあえず、私も席に着いてみた。
主任の後ろに。
何かあったら盾にしよう。

主任は楽しそうだ。
「手紙交換しような?綾美」
…不幸の手紙でいい?


ガタガタッ…ガラガラ―…。

教室の前のドアが開いた。
先生が来た?
ってか、前のドアもシャッター?

『みなさん、お早うございます!』

先生は、赤いジャケット青いワイシャツ、黄色のネクタイを着けた…本田じゃないかぁっ!!

「何がティーチャーだっ!キツネ野郎!」
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