丸腰デパート・イケメン保安課
ああそうか。
外野を出さなきゃいけないんだ。
ドッヂなんて、小学校以来だよ。


ちょっと待て?


もしかして、中より外野の方が安全じゃない?
ボールぶつからないしさ!


「はいはい!私!外野に行きます!」
喜び勇んで外野に出たよ!


「綾美〜!」

妖怪チームコートの後ろに立つ私に、主任が手を振ってる。

「何ですか?」
「もしかしたら、消えるボールを投げる事になるかもしれん」

消えるボール?!

「ちゃんと送球しろよ!」
「どうやって?!」
変な球投げるんじゃねぇよ!


ピピィ――!

『それではぁ、どちらのボールで試合開始するか、人生ゲームで決めますねぇ』
「どんな決め方だ!」

たかがボールに人生かけられるか!


『なぜですか?他に方法ないでしょ?』
「あるよ!普通にジャンケンしなよ!」

うるさいなぁとブツブツ言いつつ、本田はジャンケンに変更した。


「ジャンケンか!司、目に物見せてやれ!」
「了解」

スーツを軽く腕まくりしつつ、家紋さんが前に出て来た。
妖怪チームのジャンケンは…鬼婆だっ!

『あたしの包丁で切れない物はないのさっ』

おいっ!
ただのジャンケンだからねっ!
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