丸腰デパート・イケメン保安課
『隙をついたのかっ!卑怯なぁ!』
「人間チームは笙だけではありませんよ」

うわぁ…さっきまで他人事の様子だったくせに!


ピピ――ッ!

『宮田さんアウト』
『くそ〜!』


本田に笛を吹かれた化け猫は、悔しそうに牙を鳴らしながら外野へ。

あの猫…宮田っていうんだ?

『人間チーム、あと二匹に当てればスタンプゲットですよ〜』

本田が手を叩きながら言う。
そっか!あと二匹でスタンプなんだ。
早くゲットしてこの空間から出たいよ!


「早く戻って掃除しなきゃいけないよ!みんな!今日は年末なんだよ?本当ならドッヂなんかしてる場合じゃないんだからね!」

忘れてるみたいだから教えてあげるけど!

「ああ、年末ですね…そういえば」
「やば!貢の雑煮食べなきゃ!」
「俺はイタリアンしか受け付けん!」

マジ忘れしてたのかよっ!
どうしようもないな!あんたら!


『年末だか世紀末だかわかりませんが、スタンプを手に入れない限りは出せませんよ』

本田が笛を口にくわえて揺らしながら、邪悪に笑った。

何かムカつくな!


「元はと言えば、あんたが変なゲームを提案したからこんなになったんじゃないのよ!」
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