丸腰デパート・イケメン保安課
「毛皮にされたくなければ俺達を帰せ!」
「主任?!」

いきなり脅してるっ!!
交渉って言ったじゃん!


本田は、ムッと目を細めた。

『毛皮とは?』
「皮と毛の合体だ!!」

合体?!


「ちなみに靴は革が化けると書く!」
『成る程』
「寿司は鮨とも書く!魚が旨いで鮨だ!」
『ほぅ』
「このくらい勉強せんか!漢字検定に受かりたくないのか!」
「さっさと交渉しろっつ―――の!!」


だれが漢字の脳トレやれって言ったよ!
脱線するな!
余計帰れなくなる!


「いい加減に妖怪の世界から出たいんだってば!」
「桜田ちゃん、ここは動物の森と考えれば楽しくなるよ?」
「そんなメルヘンチックな!明らかに百鬼夜行だろっ!!」


夢と言うにも無理があるから!
そろそろリアルに戻ろうよ?!


「主任!早くして下さい!遊んでないで!」

主任はスネて唇をとがらせてるし。
「本田のせいで綾美に怒られたじゃないか!」
「責任転嫁してる場合か!」
「そうだ!本田!いい加減にしろ!」


いい加減にしろは主任の方だ!
話通じないのか!
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