丸腰デパート・イケメン保安課
「出口?」

昴さんが唸りながら首を傾げた。

まさか…無いとか言わない…よね?

「出口は無いぞ?」
「っ嘘ぉっ!!」
「非常口ならある」
「それでいいよっ?!」

ビビらすなよぉっ!!
無いとか言うなっ!

一瞬、ここで朽ち果てる自分を想像しちゃったじゃん!


「非常口があるならさっさと出ましょうよ!」
長居は無用!

「え〜?もう行くの?」
栗田さんが物足りない様子で瞳を細めた。
「行きますよ!帰ります!」
「桜田ちゃん、もう少し遊んで行こう……ニャン」


………にゃん?

何?


「栗田さん…?」

今、ニャンって……って…えええ――――っ?!


「くくっ栗田さっ!!」
「何?桜田ニャン」
またニャンって!

じゃなくて!
栗田さんの頭!!
頬に―――!

「猫耳とヒゲが生えてるぅ――――!!」


何これ!何それ!

なぜ栗田さんが猫化を始めているんだ?!


「はは、どうした?大輝。耳なんて生やして」
私の隣で笑う家紋さん…って……。

家紋さんにも動物パーツが生えてるぅ!!

「家紋さんっ?!」
「何ですか?」
「生えてますよ?!」

何か知らないけど黒い丸い耳と…目の回りが黒…。

「パンダ?!」
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