丸腰デパート･イケメン保安課
私の質問に、主任はテレビのチャンネルを変えながら返答してくる。

｢俺は、父親の愛人の子供だからな｣



……愛人……え…？


｢ええっっ？！｣
｢驚いたか？｣

屈託無く笑う主任。


愛人って！愛人の子供って…主任が？！
だから義母なんだ！


信じられない……。


主任を見つめた。

私の顔がよほど驚いて見えたのか、主任は首を傾げてる。


｢そんなに驚く事か？｣
｢いえ…その…｣

何て言えばいいんだ？

すごく…重大な話を聞いてる気がして…言葉が浮かんでこないんだよね。


｢俺の母は東会長の愛人だった。ああ、当時はまだ社長だったか？俺の母は芸者でな、あるお座敷で父と出会ったらしい｣

主任のお母さんって芸者さんだったんだ。

｢母は、俺が３歳の時に亡くなってな。父親が俺を認知していてくれたから、東家に引き取られた訳だ｣

亡くなってるの？…お母さん…。

｢まぁ、義母にとっては夫の浮気相手の子供だからなぁ…まともに話をしてくれた事はない。義母兄も同様。俺はミッチー夫婦に育てられた様なものだ｣


ミッチー、御手洗さん。

そういえば、主任が３歳の頃から世話してたって聞いた気がする。
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