丸腰デパート・イケメン保安課
「恋愛は縁結びのお守りになりますから」

…巫女さん困ってるよ。
普通にこれだけで困るんだもん。
私、よくこの人と居られるなぁって感心しちゃうよね。


「主任、縁結びでいいんじゃないですか?」
「縁結びは幅が広すぎて集中力に欠けるだろう!」

集中力?!
どこまで幅を縮めたいんだよ。

「なら具体的に話してお守り買えば?」

主任は納得したのか、力強くうなづいた。
巫女さんに詰め寄り…。
「例えばだな……例えば、綾美と結婚できる効果とか、綾美とスウィートに行ける効果とか、綾美が添い寝してくれる効果をだな…」
「!?!」

何だそれ!

「例えばとか言いつつ具体的すぎだぁっ!!」

実名出すな!
しかもスウィートって!添い寝って!
初対面の人にぃっ!!

「神頼みしなければ綾美はその気にならない!」
「主任がそういう事する限りその気になれないよ!」
自分を振り返る事もせずに気軽に神頼みするなよ!

巫女さんは、言い合う私達を苦笑い…。

「あの……こちらが綾美さん?」

ホラ見ろ!巫女さんにバレたじゃないかぁっ!

恥ずかし過ぎ!!

「主任…お守り買うなら…早く!」

早く立ち去りたい!
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