丸腰デパート・イケメン保安課
「……ごめんね?主任」
「何で謝る?」

何となく、こんなに曖昧な返事をしている事が申し訳なくて。

主任はいつも、私が好きだって…はっきりわかりやすく言ってくれてるのに。


私は今は、こんな言葉しか伝えられない。


「綾美が謝る事はないぞ?聞いたのは俺だしな!」
「うん…」
「じゃあ綾美は、保安課は好きか?」
「保安課?」
「ああ!保安課の仕事、仲間、好きか?」

それは考えるまでもないよ。

「大好きですよ」
保安課が、みんなが大好き。


「そうかぁ!大好きか!」
主任は嬉しそうに笑った。
私も、つられて笑う。

「答えてくれた褒美に、最後のタコ焼きをやろう!」
主任が、ようじに刺されたタコ焼きを私の顔の前に差し出してきた。

ってか!もう最後の一個かよ!

主任らしいな。

「綾美!あ〜ん」

食べさせたいのか?
どんな流れなんだよ?

「はいはい」
苦笑しつつ、私は口を開けた。
付き合ってやるか。

「うまいか?」

タコ焼きを頬張り、うなづく私に主任は満足顔。

主任の馬鹿。

そんなに嬉しそうに笑わないで。
また、胸が鳴るから。

ドキドキしちゃうから。


自分の気持ちが、わからなくなる…。
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