丸腰デパート・イケメン保安課
「主任…私をずっと好きでいてくれる?」
「血判書を作ってもいいくらいだ」
血判?

「しわくちゃのおばぁちゃんになっても?」
「俺の方が先に干からびるから大丈夫だ」
干からびる?

始まった、意味不明な言動が。

「私が淋しい時は、手を繋いでくれる?」
「手錠が支給されるから大丈夫だ」

手錠…SMかよっ!

やっぱり主任だ!
…それが嬉しい。

安心する。


…先に言われちゃったね、主任に。

私はね主任、言おうと思っていたんだよ?

好きだよって……。

主任が大好きだよって。

普通じゃなくてもいいよ。
それが主任だから、私はいいと思う。


目の前、私の返事を緊張しながら待つ主任。

おかしいね?
いつも挨拶感覚でプロポーズしてきてたくせに、こんなに…私の返事を一生懸命待つんだね?

合格発表の掲示板を見つめる受験生みたいにさ。

主任、私はね。

主任のそういう一面も、かわいいって思うんだよ?


だから、私の返事は決まってる。


手を伸ばして、私は主任の手を握りしめた。

ゆっくり顔を近付けて、緊張してる主任の頬に…私はキスをした。

瞬間見えたのは、柄にもなく驚く主任の綺麗な顔。
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