丸腰デパート・イケメン保安課
「そんなに怒らなくてもいいじゃんっ」
主任は、スネた子供の様に唇をとがらせた。

おい…27歳成人男子!


「話しておきますか?ねぇ、みんな」
「別にいいですよ」
「俺も」
家紋さんの意見に、みんなはうなづく。

ああ!やっと話してくれますか。

「桜田さん」
「はい」

思わず正座を座り直した。


「実は……宇宙人だったんですよ、幸子」
「その話はもう巻き戻すなッ!!」

興味ないから!幸子は!

失礼しましたと、家紋さんは眼鏡を指で押し上げた。
「そうでしたね…では、幸子は後ほどにして、質問の返答に入りましょう」

後ほど…結局後で聞かされるのか…。


「まず、僕ですが…僕は全国に200店舗ある呉服店の次男なんです。料亭や旅館の経営もありますが」

うん、びっくりしたもん。

「で、貢ですが…彼は病院の次男。浜口総合病院ってわかりますか?」
「ッ!?」

浜口総合病院って言えば、すっごい大きな病院だよ!

「わかりますっ!日本で有名な病院ですよね!心臓外科が注目されてる…権威のある心臓外科医が院長ですよね」
「それ、僕の母」
「ええぇっ!!」


そんなすごい病院の息子な訳?!

え―!!すごすぎるよ!
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