丸腰デパート・イケメン保安課
「桜田ちゃん落ち着いて!かわいい顔が台なしだよ〜」
「みんなが怒らせてるんじゃない!」


私…保安課に来てからずっと怒鳴りまくりなんですよ?
そのうち血管切れて倒れますよ?
そうしたら、労災請求しますからね!


悔しがる私に、家紋さんは静かに呟きかけてきた。

「桜田さんなら、話してもいいかな…と僕達は思ったから話したんですよ」

家紋さん?
私ならって、どういう意味?

「桜田さんは、我々の実家を聞いても態度や接し方を変えたりしない…そう思ったから話したんですよ?」

「そう…なんですか?」

そうなんだ…。

だよね、お金持ちの淋しさって…あるのかもしれない。
だからみんな、同じ孤独を味わってるから…一緒にいるのかな?

私、信用されたのかな?
だから話してくれたのかな?

私は態度変えたりしませんよ!
これからも思い切り突っ込んで怒鳴りますよ!

それがいいんですよね?
みんな…普通の接し方を望んでいるんですよね?



「でも、社内の人間みんな知ってるけどなっ!」


主任がまた空気読んでないよっ!!

くそっ!いい話が主任の一言で台なしじゃないっ!

つーか、みんな知ってんのかよ!!
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