丸腰デパート・イケメン保安課
主任はスネたのか、猫じゃらしで敏腕課長と遊んでいる…。

背中に哀愁漂っているけど?!
まるで…女所帯家庭で相手にされていない、存在感も髪も薄い父親の様だっ!


「…知られたくなかったのに…司の馬鹿…」

すっごい早さで猫じゃらし振ってるし!
課長も脇目も振らずに食いついてる!

この落ち込み方…本当の事なの?
でも何で隠したかったのかな。


「笙、隠していてもいずれバレる」

家紋さんが立ち上がり、猫じゃらしを振る主任の手を掴んで止めた。

何?…深刻ムード?

「桜田さんに隠しても、仕方ないだろう?」
「でもさっ…俺には俺の考えって言うかさっ…俺は俺だしさっ」
「だが…結婚する時にバレる」


ハイ?

結婚?!

決めてないしっ!受けてもないしっ!
つーか、結婚するモードになってんの?!


「そっかぁ!!なら仕方ないかっ!」

主任復活?!
意気揚々と立ち上がっちゃったよ!

さっきまで影の薄い父みたいだったのに!

まるで…年末大掃除にて、お父さんお願い!と、大物家具の移動を任されて嬉しがる父の様になってる!

「と、言う訳だ!綾美!」
「何が!と、言う訳…だよっ!結婚しませんから!」
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