丸腰デパート・イケメン保安課
はっきり言った。


だってさ!いくら金持ちだろうがイケメンだろうが、主任と結婚って…有り得ない!!

寿命が縮むって!!


「っ…綾美っ?!嘘だろう!」
マジかよ!の表情で、主任は呆然としている。

今更かよっ!


「初対面の時も言いましたよ!結婚しないって!」
「…冗談かと思った」
「何でだよっ!」


何で冗談?!
主任の方が冗談っぽいよ!

主任は、持っていた猫じゃらしを力無く落とした。
ゆっくりと首を振りながら、信じられないって顔して二、三歩後退りした。


…そんなにショックなの?

何か…ちょっと主任が可哀相になってきた私。
主任、顔はいいから…そんな悲しそうな顔されるとズキッてくるって言うか、フォローしたくなるって言うか……。


「あの…主任?」


立ち上がり、呆然と立つ主任に手を伸ばした。


途端に主任は叫んだ。


「消えてやるぅ!!」

「ええっ?!」


……―バチン!


突然の暗闇。

何!!何が起こったの!
主任!主任はっ?!
消えてやるなんて言ってたけど!


「どっ―…何がどうなってるんですかぁっ?!」

みんなどこっ?!
暗くてわかんないよ!停電なの?!
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