丸腰デパート・イケメン保安課
スポーツ用品売場から買う方が精神的ショックは無いじゃん!

つーか、絶対売ってる訳ないよ?!私!


「心眼をお探しですか?」
「いえ!探してないです!」


アレ?

今、誰が言ったの?

主任を見た。
家紋さんと話してる…違う?

だよね?何か妙に高音な声だったもん。

子供みたいな。


まさか敏腕課長?!

…んな訳ないって!
ダメだ!普通の感覚を失いつつある?!

「心眼、売りましょうか?」
また声がっ!!
何なの?!怖いっ!!

「?!ッ?」

突然、スカートの裾を引かれた私は、一瞬呼吸が止まった!

今…引っばられたよね?

恐る恐る視線だけを足元に這わせた。
見えたのは、スカートの裾を引く6歳くらいの男の子の顔…。


「心眼売りますよ?」
「きゃああっ!」

座敷童子?!!

「しゅっしゅしゅ!」
ふらつく足を必死に支え、そばにいる主任へと救いを求め、スーツの腕を掴んだ!
「何だ?腕を組みたいのか?甘ったれだなぁ」
「ちっ違!座敷!…」

呼吸を調えて男の子を指差す。
男の子は、ジーンズのポケットに両手を突っ込んで、平然と私達を見上げている。

「心眼欲しいなら売るけど」
…心眼売り?!
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