丸腰デパート・イケメン保安課
期待を胸に、倉庫の中を歩く。

突き当たりにドア…。
鉄のドアだ、コレかな?
でも何で鉄格子なの?


ギイィィ――…。

開くとまたドアが。

プレートは…保安課!あぁ、やっと着いたよ。
倉庫が広いから、結構歩くんだよね。

ドアノブに手をかける。
うわっ!何かドキドキしてきちゃった…。

初仕事…ちゃんとできるかなぁ。

いや、初めは早く馴染める様に笑顔で!

そうだ!笑顔っ笑顔!


「っお早うございます!」

ドアを開いて元気に挨拶!好印象アピール!……って誰も居ないじゃん!!

ちよっと待ってよっ。朝ダヨ?出勤は9時45分までですよね?!

腕時計を見る。
9時38分。


…居ないって何?!


オフィスを見渡してみる。整然と机が並んでいる、普通のオフィス…でも、誰も居ない。


1番奥の机の上には、猫用ベッドがある。ナゼ?
そして別の机には、ハムスターの檻が…。

隅には、UFOキャッチャーとお菓子キャッチャー…ゲーセンの引き上げ品か何かかな?

TVの前にはプレステとロクヨン…ゲームかよ!


妙だ…オフィスなのに、何か妙だ。

雰囲気、違和感…本能が何かを私に訴えている。
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