丸腰デパート・イケメン保安課
母親の話って…。

「パパの通帳持ってフラメンコダンサーのスペイン男性と羽田から飛んだ?」

嘘かと思ってた…。

「正確にはフラメンコ演奏者、書き置きは“蚊取線香で部屋が曇るよね”だがな!」
「違いますよ、主任“蚊取線香で時間計れるってホント?”です」

どっちも大して違わないだろうがっ!
って、逃げる理由が蚊取線香?!

「って言うか、主任と家紋さん!貢さんの子供を知らなかったんですか?!」
妻が逃げたのには詳しいくせに!

「ですが、我々が見たのは生まれた時ですから」
「ああ!生まれたての小鹿の頃だ!」

小鹿?!

「すいません…千太郎がご迷惑をおかけして」
貢さんは申し訳なさそうに頭を下げた。

あ…何かパパの顔。

「朝起きたらもう居なくて…家の中を探したら、家政婦のフキコさんがクローゼットの中で両手足を縛られ口にはガムテープが…」

?!強盗!

「すぐに千太郎の仕業だと思い…」
「思っちゃったんですか!!」
6歳児だよねっ?!
「たまにあるんだよね…」
あるのかよっ!!

「子供は悪い事を覚えるのが早いなあっ!」
「本当ですよ〜」
「ごめんね!パパぁ」

和やかだなぁ!オイ!
他に言う事ないのか!
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