丸腰デパート・イケメン保安課
「主任?朝からビリーは止めて下さい。ただでさえ梅雨でジメジメしてるのに」

更に湿るよ!

「いいじゃないか!ビリーを馬鹿にすると、俺が許しても幸子が許さない!」
「別にいいですよ!幸子に許されなくても!」

もはや、幸子の存在を否定しなくなっている自分の方が怖いよ!

「結婚してもビリー崇拝は変わらん!」
あっそ。
「わかったな?綾美!」
「だから何でそこで私に承諾を得ようとするんですか!結婚しないって言ってるでしょ!」

一日一回は言うんだよね!主任は!


「そういえばさ、知ってます?社内で結婚詐欺にあった社員がいるんっすよ?」

栗田さんが、UFOキャッチャーでヌイグルミを吊り上げつつ言った。
このゲームって、保安課の所有らしい。
管理者は家紋さん。
ゲーセンの引き上げかと思ったよ。

「はは!結婚詐欺なんて流行遅れだな!」
詐欺に流行なんてあるのか。

家紋さんが、コーヒーを一口飲み微笑した。
「誰?その催眠にかかった社員は」

催眠?
結婚詐欺って栗田さん、はっきり言ってたよね?

「えっと…あの人…鮮魚の責任者…頭は覚えてるんすけどねぇ…顔にモザイクかかってて…あのハゲ」

語尾に罵倒か!
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