丸腰デパート・イケメン保安課
「ダメ!無理!」

…ちっ!この男っ!

「110番されないうちにさっさと降ろせ!!」

お願い!普通にしててよ!
ホントに!








「どうも…何やら色々と気にかけて頂いたみたいで」

騒動は一段落。
私達は会場のある建物内のカフェにいる。

目の前には、ハゲの人と…あの中年女性。

ハゲさんの本名は奥山さん。
中年女性は三井さん。


奥山さんは、お見合いパーティーで三井さんに一目惚れをしデートを申し込んだ。三井さんは、ぜひと返事をしたものの、当日に麻疹にかかり入院。
気まずくなり、連絡をしなかった。

一方奥山さんは、すっぽかされたものの諦め切れず、三井さんを探しパーティーに参加しまくった。

しかし、お互い気にかけていた者同士、本日再会を果たした…。

とまぁ…こういう事実がねじまがり、結婚詐欺の噂になってしまった。

つまり…私達は無い事実に振り回されてここに居る、という事だね。


「つまらん!実につまらん結末だ!!誰だ!詐欺を捕えろと言い出したのは!」

…あんただよ!

はあ――…。

結末はどうあれ、噂に踊らされた私達はただの馬鹿だよねぇ。

情けなくて涙が出そう…。
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