丸腰デパート・イケメン保安課
息ぴったりとか言われたくないよ!
認めたら同類って事じゃない!
余命宣告と同じショックだ!

私は、ひざまづく昴さんの隣に屈んだ。
龍王を何とかゲージに戻さないと。

「昴さん、とりあえずみんなで探しましょう?あえて再度確認しますけど、主任のせいですから」
「綾美?!お前!夫を売るか?!」
「誰が夫だっ!!」

高額で売れるなら今すぐ質屋に入れたるわっ!!

違う…今はかまうな私!
何一つ物事が進まない!


♪〜♪・♭・♪♪〜〜

何?

突然オフィスの中に音楽が流れ始めた。
しかも“踊る大捜査線のテーマ”…。

「みんな!所轄の意地を見せろ!…安浦さんっ!」

主任?!安浦さんははぐれ刑事だよ?!

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだぁっ!!」

……独り言?

「誰か訪ねてきましたね」
家紋さんが入口ドアを見て呟いた。

「どうしてわかるんです?」
「今インターホンが鳴ったでしょう」

…インターホン?

「大捜査線?!」
「わかりやすいでしょう?」
わかりやすいって言うか…なぜオフィスにインターホンが?


主任がドアを指す。
「貢!確保!!」
「はぁ〜い」

確保っておかしいだろ。
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