丸腰デパート・イケメン保安課
「失礼します」

貢さんに招かれて入ってきたのは女子社員が二名。フロアの下着売場の人らしい。


二人は、接客スペースのソファへ落ち着いた。
向かいに主任と家紋さんが座る。
私達もそれぞれ椅子を持って来て周りに座った。


貢さんが運んで来たコーヒーを飲むと、緊張した面持ちで話を切り出した。

「実は…下着売場から下着が盗まれたんです」

下着泥棒?!
…保安課って、そういう問題も仕事なんだ?
結構幅広い。

「万引きではなくてですか?」
家紋さんの問いに、二人は首を振った。
「盗まれたのは昨夜らしいんです」

昨夜?まさか…。

「綾美…なぜ俺を見る!」
「主任…昨夜はデパートに居たんですよね?」
「居た!楽しげにリズムを取りつつな!」
「…フロアに行きました?」
「何を言い出すんだ!」

主任が慌てだした。怪しさ上昇…。

「潔白だ!俺は食い逃げだ!綾美!」
食い逃げ?!

聞いてない自白始めちゃった?!

「食い逃げなら前科あるの?!」
「いや…違う!高速ダッシュで店員を振り切っただけだ!」
結果的に逃げたんだろうが!

「俺は食って走る事はあっても…売場の下着を〇≦◎なんて事は…」

〇≦…?!
何?!
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