丸腰デパート・イケメン保安課
うつむいて頭を抱える主任の肩を、家紋さんが叩いた。

「ああ…信じてる。お前はそんな男じゃない。盗んでいない…鼻をかむだけだ」

売場の商品で?!
ある意味極悪だけど!

「…あの〜…」
我に返ると、女子社員の不安な眼差し…。

「話…進めても?」
「すいません!どうぞ続けて下さいっ!」

本当…主任が混じると脱線しまくり!

「で、盗まれた下着はどんなタイプ?」

栗田さんが、逆向きに座った回転椅子の背もたれに顎を乗せて問い掛けた。

下着のタイプ?

「…どんなのかって重要事項なんですか?」
「それで犯人の趣向を分析できるじゃん」

あ、そっか!なるほどね!

「盗まれたのは、女性用のシルクの高級ショーツが二枚と、女児用コットン下着が三枚…それと、男性のブリーフが三枚です」

うわぁ…無差別〜…。
ワゴンセールにて、人だかりの中掴み取りって感じ…。

「わかったぞ!」
突然主任が叫んだ!
びっくりしたぁ!


「犯人は…お前だ!」

主任が指差したのは、売場の女子社員?!

「え?私…ですか?」

そんな馬鹿なっ!!

「んな訳あるかあっ!もっと深く分析しろ!思い付きで断定するな!」

適当言いおって!!
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