丸腰デパート・イケメン保安課
「傷害って…何もしてないじゃないですか?」

ハムスター相手に何を?

「いや!傷害だ!見ろ!血まみれの凶悪犯…何より、昴の怪我が証拠だ!!」

はぁぁぁ――?!

「昴さんに怪我させたのは主任じゃない!!龍王をゲージから逃がしちゃったのも主任じゃないのよ!」

何言ってんの?!
全て主任が招いた事じゃん!
ハムスターに責任転嫁すんのかっ!!

「え〜?俺のせい?それっておかしくない?」
「おかしくないよ!」

よく考えろ!

「俺的にはぁ〜何て言うの?運が悪い事が重なったって言うかぁ〜…悪気無いしぃ〜」

………殺意。

「家紋さん…金属バット貸して下さい」

この男…これ以上騒動を起こさせない為に!!

「私が息の根止めてやるからぁ!!」

精神的正当防衛だ!


「うわぁ…桜田ちゃんキレちゃった!」
「研ぎ澄まされたキレ味ですねぇ」
「俺、龍王をゲージに戻して来ていいよな?」
「いいですよ?ここは問題ないです」

「綾美!バットは胡麻擂りに使うんだぞ?」
「関係ないねっ!」




初夏……深夜のデパート…。

保安課勤務2ヶ月強……。

お父さん、お母さん。


私は、犯罪者の道の一歩手前にいます………。
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