悪魔な彼氏と甘々ラブ・
「・・・てめーらどっちもウゼェんだけど」
低くて、でもよく通る声で、雪村が言った。
一瞬にして、ケンカが停止する。みんなの動きももちろん停止。
「速く散れ」
淡々と口にする。
こっ、こわーーーーッッ!!涙
教室の入り口で一部始終を眺めてたあたしは、思わず身震い。
ここでやっと、女子が散らばりはじめて、教室の入り口は大混乱中。
しかーーし!!
ここで、その混乱をさえぎる一声が響き渡った。
「ねー、この子!!昨日、智樹様におんぶしてもらってた子じゃない??」
ひぃッ!!
言わなくていーのにぃ!!
一斉に視線があたしに。
痛い・・痛いッス・涙
「図々しくない!?こんなヤツが智樹様に色目使うなんてさ」
いや、使ってませんけど
「てか、マジぶりっこじゃね?」
え、あたしのコト??
「つーか、あの智樹様がおんぶ?」
そう!そこッス!!!
そこらじゅうから、そうだねー。とかうんうん。とかゆー声。
視線は雪村に帰る。
「智樹、昨日のヤツ、来てるみたいだけど・・・」