childhood.
階段を降りる時、カッターナイフが落ちていた。

思わず笑みを浮かべてそれを拾い、また走り出す。

スーツの眼鏡の先生と、何人かの同じ生徒の子をにすれ違って、

僕は外へと飛び出した。上履きを脱いで靴下の足でただひたすらに。

走って走って、フェンスを飛び越えて。

この狭い籠の中から飛び出した。僕の存在を認めてほしい。

誰かが僕を呼び止める声がする。掴まれた腕、振り向けば眼鏡のスーツの先生。

上着だけは脱いでいて、今はシャツとネクタイの姿。

心配そうな顔をしているのは何故?僕は存在していないんでしょう?

「君はちゃんと此処にいるじゃないか」
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