先生達、後で後悔してもしらないよ。
「遺書だ」
と聞いた時。
2年生の顔色が変わった。


自分のことは書いてあるのか?
そればかりが不安になる。

美晴の父親は読み始めた。
教頭先生が止めようとするが…かまわず、読んだ。


『私はずっといじめられてきました。もう、限界です。この世界に私の味方は誰もいません…
クラスのみんなからはボールをぶつけられました。痛かった!苦しかった!ボールが怖かった』

耳をふさぎたくなった。
それと同時に…
あの日の顔が目に浮かぶ。
ボールをぶつけた日のこと。

『タバコの吸い殻によるボヤ騒ぎがあった。私はタバコなんて吸ってないのに…タバコを持っていたせいで犯人にされた。タバコは私のではない。誰かが私のカバンにタバコを入れた。そう言った。けれど、誰にも信じてもらえなかった。先生にも信じてもらえなかった…もうイヤだ』

そこで。
美晴の遺書は終わっていた。

誰がイジメたとかは書いてないけれど、イジメがあったのは事実だということだ。

美晴のお父さんは2年生の前に来ると
『美晴を返せ!!』
と泣いて怒った。

「美晴はまだ意識不明だ…もしかしたら、明日死ぬかもしれない。ううん、生きていくことができても、寝たきりか車椅子での生活だ!!美晴を…返せ!!元気な美晴を返せ」

保護者の人は泣いていた。


美晴のお父さんの言葉が重かった。
私も泣いた…
悲しかった。


もう2度と歩くことも。
走ることも。
できなくなるかもしれない美晴。

私たちは美晴のために何が出来るの?

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