先生達、後で後悔してもしらないよ。
「お前達に…交換条件がある。お前たちが昨日した記者会見の内容は勘違いでしたと言ったら…先生達はお前たちのことを許そう」

中山先生が言った。

許すって何?
私たち何もしていないのに。

「許してもらえなくてもいいです。私たち…先生達に許してもらうようなことしていませんから」

私は言った。
あまりにも腹がたって、勝手に口が動いていた。

「絵里、お前まで…」
渡辺先生が私を見た。

数学が苦手な私にわざと難しい問題をだす時と同じように意地悪な目で。

「お前たちは先生達を傷つけた。だから…謝るのは当たり前だ」

言っていることがめちゃくちゃだ。

勘違いでしたと謝れって言ったり…
先生達を傷つけたからって謝れって言ったり。

「傷つけられたのは私たちの心です」
職員室のドアが開いた。

入ってきたのは美晴と同じクラスだった子達。
加奈子やみゆき、裕貴はいなかった。
きっと…
この子達も。
本当のことを言いたかったに違いない。


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