先生達、後で後悔してもしらないよ。
「おい、やれよ!」
裕貴が男子に目配せすると。
男子が2人、前に出てきて。

美晴を柱の前に立たせるとビニールヒモで美晴の体を柱に縛り付けた。

そして。
体育館倉庫からボールを持ってくると。

「おい、今からこのボールを1人ずつ、美晴にぶつけろ!!」
と私たちに言った。

「顔に向かっては投げるな!身体を狙え‥わざと当てなかったり、弱く投げた奴は…美晴と一緒の目にあわせるからな!」
裕貴はとても怖い顔で言った。

「当てる自信のない奴は真正面からでもいいぞ!」


クラスメートは次々にボールを受け取って、美晴に投げつけた。

“バン”
ボールが美晴の身体に当たる音が体育館に響く。

耳をふさぎたくなる。

制服を着ているから分からないけれど。
美晴のお腹には青あざができていると思う。

「次、宏美。お前、学級委員だからといって優しく投げるなよ」
裕貴が私にボールを渡しながら言った。

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