先生達、後で後悔してもしらないよ。
貴大のお母さんの変わりに会議室にやってきたのは海人の母親。

海人の母親も…
中間試験の問題のことで苦情を言いに来たのだった。

海人の母親は…私が作った問題を“簡単だ!!”と言いにきたのではない。

「うちの海人君は…」
海人の母親は…自分の子どもを君付けで呼ぶ。

「塾にも行って…一生懸命に勉強しています。それなのに…どうして英語だけが100点ではないのですか?うちの子が100点をとれないのはこの問題が悪いからです」

一瞬、耳を疑うような苦情だった。

自分の息子が100点をとれないのを問題のせいにするなんて。
驚きだった…

「坂本先生。海人君は何で100点ではなかったのですか?」

私は正直に答えた。
海人は『ち』の英語の書き方を間違えていた。
本来…『ち』はChiと書かないといけない。
けど。
海人は“ti”と書いていた。


テスト前から“ち”の書き方を間違えないように…と何度も注意していた。


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