先生達、後で後悔してもしらないよ。
「先生。昨日と今日、海人を無視したらしいですね…」

海人の母親は開口一番にそう言った。

無視した覚えはなかった。
ただ…相手にしなかっただけ。

「うちの子がですよ…せっかく、先生の教え方が下手だとか悪役になって言ってくれたのに…それを無視するなんて…何様のつもりですか?」

こっちのセリフだ。
海人と海人の母親こそ、自分達を何様だと思っているんだろう?

「すみませんでした」
と謝る。

自分が悪くないのに謝る。
おかしなことだけど。
自分の身を守るには謝るしかなかった。


「謝るぐらいなら…無視しなければいいのよ」

無視したわけではない。
ただ相手にしたくなかっただけ。
相手にすれば…海人はどんどんつけあがり、クラス中が勝手に騒ぎ出し、収集つかなくなるから…黙っていた。

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