先生達、後で後悔してもしらないよ。
夏休みを目前に控え、学校では学年別に保護者会が行われた。

夏休みの過ごし方、部下のこと、生活習慣、禁止事項などの話しがあった後。

教頭先生が…
「何か最後に質問・意見があられる方はお願いします」
と言われた。

幸いに、海人の母親は来ていなかった。

「はい」
手をあげたのは1年1組の真由の母親。

「あのう、うちの子…英語の授業がつまらないって言うんです。2学期はもっと楽しい授業をお願いします」

真由は進学塾に通っていて、英語なんて先へ先へと進んでいる。
学校の問題は習っているからつまらないのだ…

真由の母親が手をあげた後。
「あのう、うちの子は塾に行ってなくて…英語の授業は丁寧だし分かりやすいと言っています。でも…先生。この前、目の前でプリントを破った子を叱らなかったらしいですね…悪いことをしたらきちんと叱るのも先生の勤めじゃないんですか?」

手を上げた人の半分以上は学校に対する苦情で。
それも…自己中心的なものばかりだった。

『うちの子はモデルになりたいと言っているのでなるべく日焼けさせたくない。紫外線の多い時期は室内で体育をして欲しい』

『うちの子…野球部なんですけれど。いつになったら試合にでられるんですか?』

こんな苦情ばかり聞かせられたら。
誰だってイヤになる。
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