サイケデリックトランスと俺
仕事に戻って引継ぎが来るまでの間、俺はさっきの馬鹿女の事を考えていた。

麻美と俺は、友達の紹介で知り合った。
紹介されてからは、暇つぶしにメールをしたり電話をする程度の関係だった。
メールや電話をした感じでは、それほど悪い奴じゃないと思っていた。

しかしあいつには失望した。
彼氏と別れたから、また俺とメールがしたい?

俺はあいつと暇つぶしでメールや電話をしてたけど、彼氏と別れたからまた連絡を取るなんて、都合の良い男になる気なんざ更々ない。

好きな男と別れたからといって自分の寂しさを紛らわせる為に、適当な男を都合の良い様に使う。
そうゆう奴は男女限らず俺の一番嫌いなタイプだ。
そんな馬鹿な考えを持った女にいちいち付き合わされてたまるか。

そんな事があって、イライラしながら仕事をしていると、いつの間にか仕事の引継ぎが来ていた。

リョウ「うっし!引継ぎ来たな!後は引き継ぎに任せて、俺達は帰ろうぜ!」

裕輔「そうだな。仕事が終わったらもうこんなところにいる理由はない。さっさと帰ろうぜ。ほんじゃまぁ皆さん後はよろしく。お先に失礼します」

リョウ「お先に失礼しまーす」

従業員「お疲れ様でした~」

俺とリョウは引継ぎと仕事を交代して、職場の二階にある会社寮へと戻った。
職場から寮までの距離、時間にして約30秒。
職場の二階が従業員の住み込み寮になっているので、部屋にいると下からイベント案内の煽りマイクがバンバン聞こえてくる。

とてもじゃないが、この部屋に居ると、仕事を終えたところでまったく気が休まらなかった。
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