*整形人間*
日本では成長期の子供の整形を公に行う医者はいない。
父は知り合いの整形外科医に頼み込み、莫大なお金を払って私を母にした。
父は自分の手で母を作った。
思春期から毎晩のように抱かれて来た私には生理はない。
もぉ、2度とあなたには抱いてもらえない身体。
毎月、ある時期になると少し痛むお腹。
病院では異常は見られないといわれ、精神科の問診を勧められた。
高校3年生になる頃。
父との関係になんとも思わなくなった頃。
母が帰ってきた。
やつれた、疲れきった表情で玄関に立つ母を、父は抱きしめ受け止めた。
その日、父は今まで時間をかけて創った私を捨てた。
母の居ない間の変わりに過ぎなかった私。
母そっくりに作り上げられた
顔・体・性格。
母は私を見て喜んだ。
自分にそっくりになった私を見て『何て素晴らしい子!』と毎日褒め続けた。