ヒメ恋~Eternal Love plus+*~
足りるとか足りないとか、そんな問題じゃないことは分かってる。
「美海?」
海里の顔が、少し驚いたような表情に変わる。
海里にとって、里海も海音もかけがえのない存在で。
『命に代えても守りたい』
毎晩子どもたちの寝顔を見ながら、優しいパパの顔をして言う海里。
2人の愛の結晶をあたしと同じくらい、ううん、もしかしたらあたし以上に大切に思ってくれてるかもしれない。
結婚する前……まだあたしたちがカラダだけの関係だった時には、こんな未来なんて予想もつかなかった。
小さい時からずっと夢に見てた“海里のお嫁さん”になれたことも、海里との子供を授かったことも、未だにこれは幻想なんじゃないかと本気で思う時がある。
昔は、海里が誰と付き合ってても、ただ側にいられればいいと思ってた。
だけど海里に婚約者ができたって聞いた時、海里の心がほしくなった。
……カラダがほしくなった。
何かを手に入れる度に、『もっともっと……』と海里をほしがってきた気がする。
自分の欲深さを思い知らされて、たまに呆れる。
「ごめんね。ただのヤキモチだから」
「ヤキモチ?」
「海里が子どもたちばかり構うから……」