人形と人は恋しちゃいけない？

プロローグ

「ねえ、聞いた？」
「うん、あの人人間じゃないんだってね。」
「人間じゃないんだから、『あの人』って言ったらダメなんじゃない？」
「あ、そっか。」
まただ……。また、居場所がなくなった。
どうして？確かに人じゃないかもしれない。でも、ついこの間まで机を並べて勉強していた人を、そこまでいわなくてもいいんじゃないかと思う。
私は人間じゃない。人間の都合によって作られた、使い勝手の良い人形。私は人になれれなかった人造人間。でも、人形にも心がある。ましてや、私は人造人間なんだから、生身の体まである。だから神様、私に人間としての居場所をください。それ以外、私はなにもいらない。だから…どうか…どうか…。