愛してると言えなくて…
「沢井さんって大人っぽい顔しているのに結構子供っぽいのね~」
佳奈美は微笑した
「そうですか」
尚も微笑する。
「突然だけど。沢井さんは好きな人いる?」
そっと佳奈美は壁にもたれる
「まっ、まぁ…」
尚は頬を赤らめた
「二年生までいっているわよ。あなたの噂。」
佳奈美はいたずらっぽく笑った
そして、ふっと真剣な顔をした
「塾でね。一つ年下なんだけど…すごく優しい。」
佳奈美の髪が風で靡く
「本当は同じ中学なんだけど、真栄中学に受験したの。桜第一小の子」
ズキン…
何かを感じた。