夏恋
「紗亜邪ちゃんはいいよね~!!あんなかっこいい彼氏がいて♪」
この人は先輩の南(ミナミ)さん
私より2つ年上で地元の大学に通っている。
「南さんだって美人なんだからすぐできますよ!!」
「できないわよ~!!何年いないと思ってんの~!?」
南さんは美人なのに、理想が高いからなのか彼氏はいない。
それとも高嶺の花なのか、告白すら滅多にされないらしい。
「すみません…。このDVDを探しているんですが…」
話しかけてきた男性は紙を見せながらそう言った。
「ご案内いたします」
私は接客業として最大限の笑顔で対応した。
「こちらになります。」
「どうもありがとう。こういうのを探すのが苦手なもので…」
男性は恥ずかしそうに言った。
「そうなんですか。何かありましたらいつでもお声を掛けてください。」
「ありがとうございます。」