約束-promise memory-
HRが終わり、私は柏木壱君から目が離せないでいた。
そんな私を、心配そうに皆が見てたなんて知るわけもなく。
「ねぇ塁、凛が言ってた"壱"君って・・・」
茜が控えめに聞いた。
「まさか例の?」
新も話にのってきた。
「あ・・・凛々がずっと・・いってっっ!」
塁は、涼の頭に拳を落とした。
「いたいよ~・・・冗談だよ」
「冗談でアイツの話はするな」
涼は、「悪かった」と言って、殴られた頭をスリスリしていた。
そんな皆の会話なんて聞こえないくらい私は、柏木壱君を眺めていた。