約束-promise memory-
-凛 side-
新が言った。
"いいんじゃない?それで凛の気持ちがスッキリするならさ"
スッキリするのかなぁ。
一応、私は小さく頷いた。
塁は、何も言わなかった。
私達は教室に戻り、そしてそのまま午後の授業に参加して放課後を迎えた。
「凛、やっぱり柏木君に聞くの?」
「うん。なんかさ、こんなのって自分から進んでやらなきゃいつまでも引きずっちゃいそうで。何もしないよりはマシかなって」
「そっか。一緒にいようか?」
「ううん。大丈夫!自分でなんとか解決できるようにする。誰にも迷惑かけたくないから。塁にも」
「そっか。わかった!」
「茜、ありがとうね!」
「うん、じゃ……」
「じゃね凛々」
涼も、心配そうな顔をして私に手を振った。
新は片手だけ挙げ、私に背を向けた。
教室に残ったのは、私と塁だけ。