約束-promise memory-
「りーんっ、一時間目体育だよ?行こ?」
ボーとする私に、茜が明るく声をかけてくれた。
「あっ、ごめん!そうだったね!」
私は体育着を持って、皆と教室を出た。
「でさ、そいつがまたウケるネタやっててさ~っ!」
涼が私達に、昨日のお笑い番組の話をしていたんだけど、私は考え事をしてたから、耳にはあまり届いてなかった。
そんな様子を見た塁が、声をかけてきた。
「何だよ凛、元気ねーな・・家出た時普通だったろ」
「うん、ごめんね・・」
「・・・・・・あの転校生は"壱"じゃねー。いい加減アイツの事は忘れろ」
「塁・・・・」
塁は知ってる。
私の考えてる事を。
柏木壱君に、違和感を感じたのは塁も同じだったと思う。