約束-promise memory-
-塁 side-
凛が、声を出して泣いた。
俺にはこれくらいしか出来ないなんて、凄い無力だと思った。
だから強く抱きしめた。
出来るならこの身体を一生掴んでいたいくらい。
でも、本当にこれくらいしか出来ないのか俺には。
そう考えていたら、自然と口に出していた。
「なぁ凛」
「…何?」
凛の泣き声が止んだ頃、凛は俺の胸から顔を上げ、俺を見た。
「俺とずっと居て欲しい」
「え……塁」
「俺と、付き合って欲しい」
「ちょっと待ってよ塁……」
凛は、俺の身体からゆっくり離れた。
「またそうやって優しくして、もう甘えられないよ塁には」
「優しさとか、そんなんじゃんくて、本気なんだよ俺。凛が好きなんだよ」
こんな弱ってる時に告白なんて、ズルイ奴かもしれないけど、俺はそれでもよかった。
凛が笑って過ごす日が来るのなら。
それがただ、俺のそばであって欲しいって事だけだ。
「言っとくけど、中2の頃も今と同じ想いだったから。もっと細かく言えば、子供の頃から、お前が好きだった。お前が壱を想うような感情と一緒」
凛は、黙っていた。