約束-promise memory-
-壱 side-
「凛ちゃんと、何かあったのね?」
母さんは、俺と凛の事になるとすぐ俺にツッコんでくる。
「母さん、俺…凛に酷い事言った」
「壱、話して?もうあなたも限界でしょ」
そう、もう俺は限界だ。
俺は、母さんの前では二度と口にはしないと決めた、凛への気持ちを話した。
俺が、母さんに二度と口にしないと決めたのは、忘れもしない。
5年前の、3月。
卒業式の前日――――。