約束-promise memory-





家の前まで来て、普段灯りが付いてる時間帯なのに、家の灯りはついてなかった。



「誰もいないのかな?」



あまり不思議ではなかった。


俺の両親は凄く仲がよく、二人で出掛ける事は何度もあった。


だけど、俺が学校から帰る時間には、必ず誰かは居た。



「二人とも仕事か?」



普通に玄関を開け、普通に「ただいま」と言って、普通に家の灯りをつけた。





俺が見た光景は、小学生の俺にはあまりにも重く、あまりにも残酷な世界だった。






リビングで首を吊ってる父さんの姿と、


その下で、手首を切って血だらけになっている母さんの姿だった。







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