約束-promise memory-
【Memory.11】トモダチ
-凛 side-
結局、眠れなかった。
「おはよう」
「凛、どうしたのその顔?寝てないの?」
お母さんが心配して、私の顔を覗きこむ。
「朝ごはんいらない」
「ちょっと凛!?」
そんなお母さんをよそに、私は洗面台へ向かった。
自分の顔を鏡で見ても、本当に不細工。
涙の跡、目の下には少しクマが。
お母さんが変に思うのは当たり前。
壱。
塁。
私の頭の中に、2人の顔がずっと交互に映る。
「ハァ……」
私は朝ごはんを食べず、いつもより1時間早く家を出た。
少し一人になりたかったから。