約束-promise memory-
数分して、おばさんが出てきた。
「ごめんね待たせて!これ、凛に渡して欲しいの。お願い出来るかしら?」
「あ…は、はい。わかりました」
凛の母さんから渡されたのは、弁当だった。
「あの子、昨日の夜も食べないし、寝てないみたいだし、朝ごはんも食べなかったのよ。学校で何かあった?」
「…いえ、学校では、何も」
「そう。ならいいんだけど」
「俺が、話聞いてみますよ!」
「お願い出来る?ごめんね塁君」
「いえ。じゃ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
俺は嘘をついた。
凛の母さんは心配性だから。
凛は、おばさんに似たんだな。
だから、あまり心配かけないようにしないと。
凛。
そこまで追い詰められてんのか。
原因は壱か。
俺か。
もしかすると、俺ら2人か。