約束-promise memory-
「・・・ン・・・」
肌に、太陽の熱い視線を浴びて、私は目を覚ました。
「あ、凛々起きた?」
「あ・・涼。私、寝てたんだ?」
今はお昼休み。
皆が購買でパンや弁当を買ってくる間、いつも弁当を持ち合わす私と涼は、屋上で待つ。
「なんか、いい夢でも見てたの?」
「え?」
「そういう優しい顔してたよ」
涼が無邪気な笑顔で言った。
「いい夢かぁ・・・」
全然いい夢ではない。
むしろ、見たくなくても見てしまう夢。
ヘッドホンから、微かに聞こえてくる曲に合わせて、涼が口ずさむ。
そんな涼に、
「ねぇ、涼はさ、いつ茜に告白するの?」
涼が口ずさむのを止めた
「知ってたの?」
「うん」
「いつから?」
「高一の夏くらい」
「あぁぁぁぁ!恥ずかしい!」
そんな照れる涼を、可愛いと思った。
普通、人を好きになるって、楽しくて、苦しくてって感じだけど・・・
私の想いは、"苦しい"だけ。