約束-promise memory-
-壱 side-
親父の事、塁が知ってしまったのか。
"同情だけは俺はしない"
「何であんな態度とるんだよ……俺の事、ほっときゃいいのに」
俺は、水で顔を洗った。
"凛はきっと、お前の事は嫌いにはならない"
「……凛」
俺はいつのまにか、凛の名前を呟いていた。
そしてすぐ後ろから。
「……壱?」
俺はすぐ後ろを向いた。
そこには、タオルを抱えた凛が立っていた。